5.社外文書の慣用表現

◆頭語と結語

 頭語とは、手紙の冒頭に書く「こんにちは」などのあいさつに当たる言葉です。
 結語も同様で、最後を締めくくる「さようなら」に当たる言葉で、頭語と結語は対応する組み合わせが存在します。

≪頭語≫

・拝啓 → 一礼をして申し上げます
・謹啓 → 謹んで申し上げます
・前略/冠省 → 前文を省略します
・拝復 → 敬意をもってご返事申し上げます

≪結語≫

・敬具 → 敬意をもって申し上げました
・謹白/敬白 → 謹んで申し上げました
・草々 → 走り書きをいたしました
・不一 → 十分に意を尽くせませんでした

≪頭語と結語≫

 頭語結語
一般文書拝啓敬具
あらたまった文書謹啓謹白、敬白
急ぎの文書前略、冠省早々、不一
返信文書拝復敬具

 3月でしたら「拝啓早春の候、貴社ますます……」などと始めますが、季節感が合わない地域もあるため、「○○の候」を省いたり、「時下ますます……」などを時候のあいさつに置き換えたりするのも一般的です。
 ※ 時下は「このごろ」「現在」などを意味します。

例:
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます
拝啓 時下ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます

安否を尋ねる言葉

組織・団体ご清栄
ご繁栄
ご隆盛
ご発展
個人ご健勝
ご清祥

時候のあいさつ例

1月初春、新春
初春とはいえ…
7月猛暑、向暑
連日厳しい暑さが…
2月厳寒、余寒
立春とは名ばかり…
8月晩夏、残暑
残暑厳しき折から…
3月早春、春暖
寒さも緩み…
9月初秋、秋涼
爽やかな季節を迎え…
4月陽春、晩春
春たけなわ…
10月秋冷、錦秋
爽やかな秋晴れの…
5月新緑、若葉
風薫るこのごろ…
11月晩秋、深秋
秋も一段と深まり…
6月麦秋、入梅
うっとうしい季節に…
12月師走、向寒
年の瀬も押し迫って…

慣用表現

通常の言い回し慣用表現
いつも特別の平素は格別の
ひいきをくれてこ愛顕を賜り/お引き立てをいただき
わたくしこと私儀
従業員全員従業員一同
深く感謝する厚く御礼申し上げます
以前からかねてより
本当にまことに
会ってほしいご引見賜りますよう…
どうかお許し何とぞご容赦
これまでにも増して倍旧の/一層の
気にしないでほしいご放念くださいますよう…
送っていただきご恵贈賜り
ご案内のついでにご案内かたがた
調べて受け取ってご査収くださいますよう…
つまらないものですがご笑納くださいますよう…
多忙だと思いますが、調整して来てほしい万障お繰り合わせのうえ、ご来臨賜りますよう…
努力するつもりです鋭意努力する所存でございます
簡単ですが略儀ながら
非常に幸せに思う幸甚に存じます
お身体大切にご自愛賜りますよう…

主要目次

03manner/03manner_3_5.txt · 最終更新: by norimasa_kanno
CC Attribution-Share Alike 4.0 International
Driven by DokuWiki Recent changes RSS feed Valid CSS Valid XHTML 1.0