5.ワンランク上の接遇用語を使いこなす

◆基本を習得することが応用への近道

 接遇用語とは、来客などに応対する際の言葉遣いのことです。ぎこちない動作や言葉遣いも、場数をこなしていると自然なふるまいになっていきます。
 ポイントは、お手本となる人を近くに作ることです。
 接遇用語は多様な言い回しがあるため、TPOでの使い分けを身近で感じ、真似しながら使っていくことで、習得度も好感度もアップしていきます。

①少々(少し)お待ちください/くださいませ
②少々お待ちくださいますか/いただけますか
③少々お待ちいただけますでしょうか
④少々お待ちいただくことはできますでしょうか
⑤少々お待ちいただけませんでしょうか

 どれもよく使う表現ですが、皆さんはどの言い方を好んで使っていますか。
 ①②の「ください……」は尊敬、②の「いただけ……」は謙譲表現で伝えています。③④⑤の依頼形は丁寧さが増し、④⑤は待ってもらいたいという「依頼が強く出ている表現」とも言われています。もちろん前後のフレーズや表情でも、言葉のニュアンスは変化します。

◆丁寧なやさしい印象を作るクッション言葉

 何かをお願いしたり、断ったりする場合にクッションの役割となって表現を和らげてくれるのがクッション言葉です。マジックフレーズの一つで、コミュニケーションを円滑にしてくれる強い味方でもあります。

例:少々お待ちいただけますでしょうか
→ 恐れ入りますが、少々お待ちいただけますでしょうか

 「○○のサービスを利用したい」というお客様には、次のどの表現が適切でしょう。

① はい。それではこちらの書面に……
② はい。○○のサービスですね。それではこちらの書面に……
③ はい。○○のサービスですね。ありがとうございます。それではこちらの書面に……

 ②のように、相手の言葉を繰り返すコミュニケーションは聞き聞違いを防ぐプラスアルファの効果もあります。
 ③はさらに、お礼の言葉を添えています。この「ありがとうございます」や「助かります」などもマジックフレーズです。「それでは……」の代わりに「お手数ですが」もOKです。

◆ホスピタリティ(おもてなしの心)を表すために

 個の時代と言われる環境では、流れ作業ではなく組織で働く社員一人ひとり、お客様一人ひとりの気持ちや立場を汲み取る仕事の仕方が求められます。価値観も状況も多様な時代に、一律な対応では顧客満足度(CS)の向上は望めません。必要なのは次のような心構えです。

・相手の言葉に耳を傾けて → 適切な言葉を使う
・周囲に目と心を配り(気働き) → 適切な言葉をかける

 相手の期待を上回るホスピタリティをスマートに表現できるよう、少しずつ感性を磨きましょう。

接遇用語

≪よく使う接遇用語≫   ≪主なクッション言葉≫
〈日常用語〉 〈接遇用語〉   〈依頼〉
あって、こっちあちら、こちら 申し訳ございませんが
だれどちら(様)、どなた(様) お手数ですが
ちょっと少々、少し ご足労ですが
ただ今 よろしければ
今度このたび 失礼ですが
あとで後ほど、あらためて お差し支えなければ
もうすぐまもなく  〈断り〉
このあいだ先日 残念ですが
何のどのような せっかくですが
どうですかいかがでしょうか あいにく
そうですさようでございます 恐縮ですが
わかりましたかしこまりました、承知しました 身に余るお言葉ですが
その通りごもっとも 申し上げにくいのですが

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03manner/03manner_1_5.txt · 最終更新: by norimasa_kanno
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